5015: Sesame & Strawberry

淡々とテクノ音楽を紹介していきます。

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2010年ハードグルーヴ界隈雑感

■はじめに

 本記事ではハードグルーヴという言葉を、旧来のハードミニマル、ハードテクノの流れを汲む一連のシーンを表す語として使用しています。また、ミニマルという言葉はドイツから発生した、いわゆるクリックテクノの流れを汲む、音数の少ないディープな音を表す語として使用しています。この文章は、ハードグルーヴ視点から近年のミニマル化の流れを追うものとして書いています。

■今年の全体像

 昨年は、「2005~2006年は変化の年、2007年~2008年は多様化の年であったのに対し、2009年はシーンの新たな方向性が徐々に定まってきた年でした。」と書きましたが、2010年はシーンの方向性が定まり、緩やかに境界線が固まってきた年でした。現在のハードグルーヴ系を中心とした時のシーンは以下のようになっているように見えます。

2010_techno.png

 Aは昨年からリリースが活発化し始め、今年、Umekを中心に一大勢力として確立した一派です。テックハウスやプログレッシヴハウスといったジャンルとの親和性が強いグループです。本記事ではファンキースタイルと呼んでいきます。Bはハードグルーヴシーンのメインストリームであり、AとCをつなぐ存在でもあります。DrumcodeやFigureといったハードグルーヴ系の著名レーベルがこのグループに含まれます。本記事ではメインストリームと呼んでいきます。Cは次世代型テクノの爆心地であるOstgut Tonを中核にし、新たなスタイルを確立した一派です。デトロイトテクノやテクノ系ダブステップとの親和性が強いグループです。本記事ではハードスタイルと呼んでいきます。

 今年は、各スタイルについて代表的なレーベルとコンポーザーを紹介して締めたいと思います。

■ファンキースタイル

 このスタイルの今年のトレンドは『ディスコ』や『パーカッション中心』でした。現在のハード系テクノの中で最も派手で、多様なシンセやパーカッション、シャッフルの利いたベースライン、長尺のブレイクが特徴です。

●主なレーベル
100% Pure / 1605 / 303Lovers / Be As One / Bedrock / Break New Soil / Curfew / EC / Excentric / Great Stuff / Intacto / Intec / Italo Business / Material / MB Elektronics / Music Man / Rejected / Respekt / Saved / Tronic

●主なコンポーザー
2000 And One / Alex Di Stefano / Anton Pieete / Carlo Lio / Christian Smith / Daniele Papini / Dandi & Ugo / Deetron / Fergie / Gennaro Mastrantonio / Hertz / Jay Lumen / Joris Voorn / Kaiserdisco / Koen Groeneveld / Loco & Jam / Lutzenkirchen / Manuel De La Mare / Marco Bailey / Michel de Hey / Mihalis Safras / Miniminds / Nic Fanciulli / Phunk Investigation / Psycatron / Secret Cinema / Shlomi Aber / Spektre / Umek

■メインストリーム

 このスタイルの今年のトレンドは『グルーヴィー・ベースライン』や『低音中心の音作り』でした。ファンキースタイルよりも荒々しいSEや硬質なパーカッションを用いているものの、インダストリアルテクノほど硬くない音でリズムトラックを打ち込み、ベースラインを主体にノリを作りこむのがトレンドとなっていました。ちょうどこのスタイルが現在のハード系テクノの中間地点に位置していて、ファンキースタイルとハードスタイルの狭間に存在するような形となっています。

●主なレーベル
8 Sided Dice / Alchemy / Analytictrail / Droid / Drumcode / Enemy / Figure / H-Productions / Hardgroove / Impact Mechanics / Jericho / Klap Klap / Labyrynth / Loose / Naked Lunch / Phobiq / Relis / Sleaze / Soma

●主なコンポーザー
A. Mochi / A. Paul / Adam Beyer / Alan Fitzpatrick / Ben Sims / Cari Lekebusch / Dustin Zahn / Edit Select / Gary Beck / Gregor Tresher / Industrialyzer / Jerome Sydenham / Jesper Dahlback / Joey Beltram / Joseph Capriati / Kyle Geiger / Len Faki / Mark Broom / Markantonio / Mauro Picotto / Paul Ritch / Rino Cerrone / Samuel L Session / Sasha Carassi / Slam / Steve Parker / Steve Rachmad / The Advent / Uto Karem

■ハードスタイル

 このスタイルの今年のトレンドは、『インダストリアル』と『ロウ』でした。近年のミニマルのやり方にインダストリアルテクノ然とした硬質なビートやノイズをはめ込んだものであったり、昔のアナログ・ドラムマシン然とした音を主軸に打ち出したような音が流行っています。

●主なレーベル
Blueprint / CLR / Electric Deluxe / Frozen Border / Komisch / LINEAL / Mote Evolver / Ostgut Ton / Perc Trax / Prologue / Sandwell District / Stroboscopic Artefacts / Synewave / Time To Express

●主なコンポーザー
Alex Bau / A. Paul / Audio Injection / BCR Boys / Ben Klock / Brian Sanhaji / Chris Liebing / Dino Sabatini / DJ Emerson / Donato Dozzy / DVS1 / Exium / Function / James Ruskin / Jonas Kopp / Kevin Gorman / Lucy / Luke Slater / Marcel Dettmann / Mike Dahnert / Modern Heads / Monoloc / Perc / Peter Van Hoesen / Reeko / Robert Hood / Samuli Kemppi / SCB(Scuba) / Shed / Silent Servant / Sleeparchive / Speedy J / Surgeon / Tommy Four Seven / Traversable Wormhole / Xhin

■おわりに

 2005年にテクノが一旦放棄した多様性を、現在、再び獲得しつつあります。混乱期は過ぎ去り、既にミニマルスタイルテクノの地盤は確立されました。次は、特にダブやディスコ、アシッド/ブリープといった、これまで一世を風靡したトレンドが楽曲に組み込まれていくことになるでしょう。ミニマルは90年代後半のような素朴な作りへといくものもあるでしょうし、ハウシーな方向へ向かうものもあるでしょう。インダストリアルテクノはミニマル化しつつもより硬い音を作り上げるとともに、ダブステップと融合していくかもしれません。ファンキースタイルはディスコを取り入れ、ハードスタイルはダブを取り入れていくでしょう。そして、メインストリームは両者の間でバランスをとりながら、これまでになかった新たな表現を獲得する可能性を秘めています。

 すっかりアンセムと呼ばれるような楽曲が少なくなったテクノシーンですが、強烈なフレーズを持つ曲も徐々に現れてきている傾向にあり、記憶に残るアンセムに巡り会える日はそう遠くないと思います。

■追伸

 なお本記事を詳細化した本が、某 "3日目 東R21a" で出ると思います。本人はいない可能性が高いですが、お近くをお通りの際は手にとってみてください。では。

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